草木染め
●草木図鑑●
草木染め製品に使用されている草木たちを紹介します。 ヤマモモ:江戸時代によく使われた染料。茶がかった黄色や黒がかった緑茶色に染まります。
クチナシ:日本の暖地に自生。主に黄色の染料ですが、少量の青色の要素も含みます。
ガンビール:葉、若い枝を煮出して天然で乾燥させたもの。黄みがかった茶色や黒茶色が染まります。
西洋アカネ:西洋で古くから染料に使われていました。茜色から濃い赤である緋が染まります。
ラック:枝につくラックという貝殻虫で染めます。赤い色素を含んでいます。
ザクロ:果皮を使用します。焦茶色、明るい黄茶色が染まります。
ロッグウッド:染料、薬用として熱帯地方で栽培されていました。紫や黒が染まります。
ゴバイシ:昔からよく使われていた染料です。紫鼠色の空倍子色が染まります。
緑茶:出し殻を煮出して染料にします。紫鼠色、薄茶色に染まります。
柿:昔はものを丈夫に保つため渋を利用していたそうです。黒茶色、薄茶色に染まります。
栗:夏後半は葉・小枝、秋はイガ、冬は落葉で染色します。やや黄みがかった薄茶色が染まります。
●草木染め●
1 染色の前に、繊維を精錬します。
天然の繊維には不純物が多く含まれており、取り除いておかなければ、染色が定着しません。
この作業を精錬といいます。
2 精錬を終えてから、草木(植物)の、花弁・葉・幹・根などを煮出し、その液に繊維を浸して染めます。
3 木酢酸鉄・酢酸アルミニウム・スズ酸ナトリウムなどの媒染剤を加えます。
媒染剤は、染色の媒介の役目をし、発色や色止めに効果があります。
4 これらの作業を繰り返し、色を定着させます。
●植物染色の歴史●
植物を用いた染色技術は、紀元前3000年頃から始まったとされています。それから世界各地に広まりました
が、1856年に合成染料がつくられます。安価でつねに同じ色が染まる点からさまざまな化学染料が用いられる
ようになりました。近年では、自然志向が高まり、再び植物染料が見直されるようになりました。
●合成染色との比較●
× 天然染料は色素の含有量が一定しないので、100%同じ色をつくり出すことはできません。
→ ◎ 同じものは1つとしてできないため、自分だけの色として愛着が湧きます。
× 天然染料は合成染料のように色素を多量に含んでいるわけではないので、濃く染めるのは至難の業です。
→ ◎ 優しい雰囲気に仕上がり、穏やかで深い味わいがあります。
●当店の草木染め●
当店で扱う草木染めの製品は、究極の風合いをつくりだす、愛媛県今治市の河上工芸所により精錬されています。
水にこだわり、四国山脈の伏流水(天然水)を使用して丹年に染め、仕上げをしています。また、精錬には食品用の酵素を使用し、媒染剤など染色に使用するものは体に無害のものを使用しております。全ての製造工程で天然加工が施されておりますので安心してお使いいただけます。